行政書士試験で条文の素読は有効なのか?

こんにちはちゅーりーです。

行政書士試験では条文そのもの、または条文に関係する知識を問う問題が出題されます。

条文全てを丸暗記できれば良いですが、全部で100条程度の憲法はまだしも1,000条を超える民法、関連法令がたくさんある行政法などの条文を全て暗記するのはほぼ不可能です。

受験生の皆さんも条文の学習には苦労をされているのではないでしょうか。そんな中で有効だといわれる学習法が「条文の素読(そどく)」です。

素読はやり方さえ間違えなければとても効果的な学習方法と言えます

この記事では素読のやり方や効果について解説したいと思います。

ちゅーりー

第1条・・第2条

ウォンバ

条文は読むだけでも結構大変だよね・・

目次

素読(そどく)とは

本来の素読の意味は「文章の意味はあまり考えずに、漢文などを声を出して何度も読み上げる」ことのようですが、条文学習では単に「条文をそのまま頭から通して読むこと」を指しているようです。

本来六法は問題集や過去問を解いて、わからない点を確認するためのサブ教材ですから、素読はその六法を主役に据えた一風変わった勉強法と言えるでしょう。

素読する人

素読のやり方

素読のやり方はシンプル。民法、行政法、憲法などの法令を選んで1条から順に読んでいくだけです。声を出すか出さないかはやりやすい方で構いません。

ただし、素読は実施方法や時期が非常に重要です。

素読の実施時期

なぜ素読をするのか?それはもちろん「条文の暗記」のためでしょう。

ただ1か月~3か月といった学習初期に、全く馴染みのない法律文をひたすら読むのは本当に苦痛ですし、そんな状態では頭に定着化するはずもなく暗記するのはほぼ不可能です。

何度も何度も読めばある程度は暗記できるかもしれませんが、前述の通り1,000条を超える民法や膨大な行政法を丸々暗記するのはそもそも至難の業ですし、膨大な時間がかかります

ちゅーりー

えーと、892条は・・

ウォンバ

全部を暗記するのは無理だよ・・・

また行政書士試験では全ての条文が等しく出題されるわけではなく、出題されやすい条文がある程度決まっています。そのため全部を暗記しても無駄が生じてしまいます。

条文のみを覚えてもそれだけで合格できるわけではないですし、テキストや問題集・過去問を学習する方がもっと大切ですから、素読だけにそこまで多くの時間を費やすことができる人はそんなにいないでしょう。

では素読を実施するベストな時期はいつなのでしょうか?

それは直前期である9月以降です。

「遅すぎ!」そう思われる方も多いかもしれません。でも後になればなるほど素読の効果はどんどん高まっていきます。それにはちゃんと理由があります。

人が知識を定着化するために効果的なのは何でしょう?それは想起(イメージ)と言われています。

想起

単に条文を読んで暗記するのはとても難しいですが、具体的な事件や判例、過去問で問われた内容を思い出して「この条文があるからこの事件はこういう結論なのか」、「こういったケースを想定して条文が作られているのか」などとイメージができれば格段に記憶として残りやすくなります。

ちゅーりー

No.1中年リーマンといえば

ウォンバ

自分、と言いたいのかな…

そのためには過去問を何度も解いて、問題に関係する条文も同時にチェックする必要があります。過去問や条文、判例が頭の中でリンクできればベスト。その状態に近づくのは学習も終盤に差し掛かった9月ごろ、ということです。

素読の効果

素読の効果は主に2つあります。

1つはもともとの目的である「条文の言い回しやキーワードを覚えられる」こと。もう1つが「知識の整理と統合」です。

例えば民法の法定地上権についての条文を読んで、この条文についてはあの問題で問われていたな。あの判例で語られていたな。と、芋づる式に知識が引き出されてきます

いつもは過去問から条文や判例の知識を引き出すという学習ですが、それを逆の方向から辿るのです。これは先ほどの想起(思い出すこと)の通り、記憶の定着にはかなり効果があります。

ちゅーりー

点が線につながるイメージ

逆を言えば過去問で問われない条文(チェックされていないもの)については、覚える必要はありません。脳の記憶領域には限りがありますし、やはり素読よりも過去問中心の学習の方が大切です。

とはいえ出題が多い条文に関係する条文(例外を定義したものなど)については、一通り目を通しておきましょう。

まとめ

・素読(そどく)は条文を頭から読む、条文暗記のための勉強方法の1つ。
・素読は実施する時期が重要、9月以降の直前期が効果的
・問題集を繰り返し解いて、関係する条文をチェックしておこう。
・暗記には想起(イメージ)することが大切。素読の際は条文に紐づく過去問、判例を頭の中でイメージしよう

今回は素読について解説をしました。ちゅーりーは本試験前の2週間に集中的に素読を行い、条文・過去問・判例が頭の中で一つにつながる感覚を得ました。

行政書士試験における素読は単に条文を読んで暗記することが目的ではなく、それまでに学習した内容を頭の中でイメージし、整理し、統合させるための勉強法だと言えます。

あなたも正しく素読を行い、直前期の実力アップを狙いましょう!

ちゅーりー

素読で問題を解くスピードもアップ!

ウォンバ

効果的な学習をしようね!

GLMOW!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (6件)

  • 判例も、過去問などに出てきたもので覚えていましたか?
    また判例集は何を読んでいらっしゃいましたか?

    • こんにちは!
      判例集は「みんなが欲しかった!行政書士の判例集」を使用しました。
      ある程度基礎の学習が終わった後に判例集を通して読んで、重要なキーワードをまとめたノートを作成しました。あとは過去問を回しながらテキストやまとめノートを行き来して確認し知識を定着化していきました。
      判例を素で覚えるのは難しいので、問われる論点(該当する条文や結論、キーワード)をうまく判例と頭の中でリンクできれば理解が進むかと思います。

      頑張ってください!!

  • 初めまして。
    条文素読は、行政法(代執行法、手続法、不服審査法、事件訴訟法)全部されましたでしょうか?

    • ららさん、初めまして!
      はい、民法含めて全部やりました(汗)

      肢別などの過去問→条文確認を何度も繰り返すと、
      なんとなく重要な部分や、理解が甘い部分が見えてきますので、
      全部を読み込むのではなく条文ごとに強弱をつけながら流していました。
      (特に有効だと感じたのは民法と行政事件訴訟法でした)

      記事でも書きましたが、条文のみを意識して暗記するぞ!はあまり意識していませんでした。
      あくまで過去問と紐づけてなぞることで点を線に、理解を深めることを意識しました。

      頑張ってください!

コメントする

目次